- まばゆいばかりの新緑が美しい季節ですね。梅雨の時季となっても「恵みの雨」とばかりにその色を濃くする若葉たち。八百屋さんやスーパーの店先にも初夏らしい野菜が並び始めました。今月はそんな夏野菜の中でも季節限定の、「そら豆」のお話です。そら豆は、莢(さや)が空を向いて伸びるように成長するので「空豆」、莢が蚕の形に似ている、または蚕の季節に収穫するために「蚕豆」などの字を使うと言われています。古代ローマやエジプトで、儀式に使われた記録も残っているという大変歴史の古い野菜です。日本には中国から8世紀頃に渡来しました。高温多湿に弱い野菜なので、夏を避けて秋口に種まきし、春から初夏にかけて収穫されます。いろいろな野菜が一年中食べられる現代においても、そら豆の旬の時期は短く、わが静岡県ではせいぜい6月いっぱいくらいまで。気温が毎日上がってゆくこの時季、塩茹でなどは晩酌のおつまみにもうってつけですよね。シーズン中にぜひ味わいたいものです。ところで、私たちが塩茹でや、莢ごと焼いて口にするそら豆は「未熟豆」と呼ばれるもの。加工食品となる「完熟豆」は、一年中出回っています。そら豆の甘納豆やあんこなどを見たことはありませんか?実はそれらが「完熟豆」を使ったそら豆本来の食品なんですよ。
|